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解釈こそがすべて——傷がギフトに変わる「心の金継ぎ」

自己愛開花コーチ・ボウルズ郁美さん

 ”嫌いなところ”の使い道を見つけると人生が変わるんです

オーストラリア・メルボルンに暮らしながら、「心の金継ぎ(きんつぎ)」という独自のメソッドで女性たちの自己愛を育てているボウルズ郁美さん。
自己否定や嫉妬に悩む女性が「自分を心から好きになり、人生を好転させていく」ためのサポートを行っています。

穏やかに語るその声の奥には、実は激動の親子関係と深い葛藤の時期がありました。
郁美さんの人生は、まさに“金継ぎ”のように、痛みを癒して輝きを取り戻してきた歩みです。


「自分でいること」が居心地悪かった子ども時代

「子どもの頃から、自分でいることが居心地悪かったんです。
“自分が好きじゃない”なんて言葉では表現できなかったけれど、常にどこか息苦しさがありました。」

その感覚は、大人になっても消えませんでした。やがて結婚し、長男と長女を授かります。
長男は手のかからない子でしたが、2年後に生まれた娘さんはまるで別世界のような“自由な魂”を持っていたといいます。

「本当に素晴らしい子だったんです。でも当時の私は、その自由さが怖くて。
“この子、大丈夫かしら”と不安でたまらなくなって、つい『ダメよ』『そんなことしちゃダメ』と、抑えつけてしまったんです。」

気づけば娘と日々バトルの連続。
コップが床に割れ、アイロンが飛び、ドアに穴があくほどの喧嘩もあったといいます。

「娘は“ありのままの自分でいたい”。私は“ちゃんとした子でいてほしい”。
正しさのぶつかり合いでしたね。」


どん底で降ってきた「歩み寄る」という言葉

ある日、あまりの苦しさに、郁美さんは心の中でこう問いかけました。
“神様、私にどんな人でいてほしいのですか?”

「無宗教なんですけど、そのときだけ自然に“神様”という言葉が出てきたんです。
そしたら、頭の中に“歩み寄る”という言葉が降ってきて。
それは、私にとって一番聞きたくない言葉でした。

「歩み寄る」こと——

それは自分が間違っていたことを認めることでもあり、プライドを手放すこと。
しかしその瞬間、「自分が正しい・娘は間違っている」という長年の思い込みが崩れ落ちたといいます。


娘と歩み寄る前に、まず自分に歩み寄る

「歩み寄ろうとしても、うまくいかなかったんです。
そこで気づいたのが、“娘に歩み寄る前に、自分に歩み寄る必要がある”ということでした。」

郁美さんは、娘の「嫌いなところ」をノートに書き出してみました。
すると、そこに並んだ言葉は——ずるい、嘘つき、あざとい——。
よく見れば、どれも自分の中にもあるものでした。

「“嫌なところを消すことはできない。ならば、活かすしかない”と思ったんです。
嫌なところの使い道を探してみようと。」

それはまるで“自分の闇に光を当てていく作業”。
嫌いな部分を押し殺すのではなく、別の角度から“宝物”として見つめ直していく試みでした。


「嫌なところを宝物に変える」——自分への金継ぎ

「片っ端から“嫌いな人”の嫌なところも書き出して、全部宝物に変えていきました。
そうすると、“あれ? これもいいとこじゃない?”って気づけるようになるんです。」

このプロセスを重ねるうちに、心の中の何かが少しずつ変化していきました。
やがて、娘の“とんでもない”と思っていた自由さも「素晴らしい」と感じられるように。
そして、戦場のようだった家庭が、ゆっくりと“温かい場所”に戻っていきました。

私が娘との関係を平和にできたように、心を金継ぎすることで世界を1ミリ平和に近づけたい… それが“心の金継ぎ”の始まりだったんです。


「どんな暗闇にも光がある」——ユング心理学との出会い

大学時代に学んだ心理学。
当時の教授がユング派心理学者・河合隼雄氏の信奉者であり、講義でよく彼の考えに触れたといいます。

「ユングはどんな暗闇の中にも光を見出した人なんです。
それは私にとってこの上ない救いでした。
どんな醜い部分にも必ず光がある——その視点を思い出して、ようやく自分を受け入れられるようになりました。」


「金継ぎ」という祈りのメタファー

娘との関係を再生させる中で、もう一つの象徴的な出会いがありました。
それが「金継ぎ」という日本古来の修復技法です。

「お茶を習っているので、割れた茶碗を漆でつないで金粉で仕上げる“金継ぎ”をよく目にしていました。
壊れたお茶碗は金継ぎすることで、壊れる前よりも価値が高くなったりするんです。
たとえ壊れてもより一層輝きと価値を増す——そのことに救われたんです。」

「私たちの心も同じ。
壊れた部分、傷ついた経験を丁寧につないでいけば、
以前よりも美しく、強く、輝く存在になれる。
それが“心の金継ぎ”の本質です。」


起業したくなかった私が「起業することになった」

実は、最初は起業したくなかったんです(笑)。
でも、あるコンサルさんの無料相談会で“「心の金継ぎ」を伝えたいなら、誰かの人生を変えるサポートをするのが近道ですよ”と言われて。

気づいたら学び始めていました。

2023年6月に正式に起業。
半年間のビジネス講座でバックエンドを構築し、「心の金継ぎ・プログラム」を立ち上げます。無料・有料セッションを重ね、少しずつ手応えを掴んでいきました。

「起業なんて無理、と思っていた自分がやっていること自体が金継ぎなんですよね。
壊れたところを”活かす”。
その経験全部を素材にして生きている感じです。」


「年齢を言い訳にしている暇はなかった」

起業講座では自分が最年長。
起業当初は30~40代の起業女子が多い中で、年齢にコンプレックスを感じていたといいます。それでも、郁美さんは笑って言いました。

「心の金継ぎを通ってきたからこそ見える景色があるし、この歳だからこそ分かることがたくさんある。だから“年齢を言い訳にしている暇はなかった”んです。」


活動としての「心の金継ぎ」

現在、郁美さんは「自己愛開花コーチ」として活動中。
自己否定・無価値感・嫉妬に悩む女性たちが、自分を心から愛し、
本来の力を取り戻すためのサポートをしています。

●「あなたの宝物がわかる・心の金継ぎ無料診断」

これまで気づかなかった才能や魅力を見つけ出す無料診断。

●6か月講座「心の金継ぎ・プログラム」

ユング心理学の「分離の統合による変容」をベースに、
自己否定や嫉妬の裏にある“分離された自己”の中から宝物を見つけて迎え入れる6か月間のプロセス。
心の傷を人生のギフトとして統合し、自分らしい輝きを取り戻す講座です。


「何者かになる」より、目の前の人に貢献したい

「これまでは“何者かになりたい”と思っていたけど、
今は“目の前の方に全力で貢献すること”にフォーカスしています。
その方が本来の輝きを取り戻す姿を見るのが、何よりの喜びです。」

郁美さんは、自身のクライアントの中にある“気づけていない悩み”を見抜き、
その奥の“宝物”を引き出していきます。

「心の痛みも、嫌な部分も、全部リサイクルできると思っています。
それが“心の金継ぎ”。
オセロのように黒を白にするんじゃなくて、黒が金になるんです。」


辛い出来事は「困難の顔をした祝福」

「誰にでも辛いことはあります。
『あんなことなければよかった』と思うこともあるでしょう。
でも、それは“分離”を生むための出来事。
その後に“統合”できれば、人はもっと大きく豊かになれる。
つまり、それは”困難の顔をした祝福”なんです。」

「過去は希望の色に塗り替えられます。
どんな経験も無駄ではない。
だから、解釈こそがすべて。
どこにフォーカスするかで、人生は変わると思うんです。」


PROFILE

ボウルズ郁美(ぼうるず・いくみ)
自己愛開花コーチ/「心の金継ぎ」創案者
1961年生まれ。オーストラリア・メルボルン在住。

経歴

2010年:老齢者介護職

2011〜2020年:メルボルン市内の病院で通訳として勤務

2020年:コロナ禍で失職

2022年:ディマティーニ•メソッドをベースにした講座を受講

2023年:起業。半年間のビジネス講座で「心の金継ぎ•プログラム」を構築したのち起業

2024年:無料・有料セッション提供を開始

2025年:「心の金継ぎ•プログラム」開講                            

活動内容

  • 「あなたの宝物がわかる・心の金継ぎ無料診断」
  • 6か月講座「心の金継ぎ・プログラム」
  • 自己否定や嫉妬を“分離”から“統合”へ導いて変容をもたらすコーチングセッション

理念>
「傷を抱えた心は壊れた器のようなもの。
丁寧に継げば、より美しく輝く“あなた自身の金継ぎ”になる。」

SNS・リンク>
Instagram:@ikumibowles
ブランドブック(Web):https://bit.ly/3Yw7OwG
Mail:ikumibowles@gmail.com